【奈良住むコラム】再び着目されている吉野杉

奈良県が高級ブランドである「吉野杉」を使用したバイオリン製作に乗り出しました。
吉野杉は軽くて堅いので材料として最適とのことで、来年までには試作品を完成させる予定です。

吉野杉の歴史は古く、室町時代に川上村に植林されたのが始まりとされ、国内最古の人工林と言われています。
豊臣秀吉により、大坂城や伏見城の築城にも使用され、戦後は住宅の天井板に重宝されるなどしてきました。
しかしながら近年は、和風住宅の減少により需要が低迷したことに加え
海外産木材の輸入増加のため価格が低下しています。

このような状況を打開するために奈良県は
傷がつきにくいフローリング材などを開発して工務店などの建築業者に提案してきました。

吉野杉の新たな用途を模索する過程で、一つとして浮上したのがバイオリンでした。

弦楽器は、本体で音を共鳴させる構造であるため、振動が長く持続しやすい堅い木が材料として好まれます。
バイオリン製作者たちで組織される日本弦楽器製作者協会によると
通常では欧州産の木材が使用され、表面にマツ科のスプルース材、裏面や側面にメイプル材が使用されるとのことです。

同協会の園田会長によれば「普通、杉は軟らかく、弦の圧力に負けてしまう」とのことですが
奈良県は吉野杉の堅さに着目しました。

吉野杉は極端に密集させて植林したのちに間伐を繰り返すので
ゆっくりと成長し、年輪が詰まるため堅い木に育つとされています。

スプルース材と同じ針葉樹の仲間で、木材の比重も類似しており
担当者は「音響面で優れた特性が期待できる」と話しています。

2015年の春から県森林技術センターが中心になって本格的な研究を開始し
8月頃にはバイオリン製作者、演奏家、研究者により「プロジェクト会議」を開き
吉野杉の振動特性を調べ、試作品の開発に向けての話し合いがされる予定です。

同センターの伊藤所長によれば「奈良の林業や木材加工を多くの人に知ってもらうきっかけにしたい」とのことです。

このようなニュースが伝えられた吉野杉は、独自の植林方法により
通常の杉材より堅くて丈夫なことが知られています。

現在、奈良県では県内産材木を使用した注文住宅などに対する助成事業も行っています。

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